信頼関係は、組織文化を築く根幹です。
前回の「文化はリーダーの背中から生まれる」に続き、今回は「聴くこと」から始まる信頼づくりの技術を探ります。
部下との対話、伝わるスピーチ、そして信頼の可視化まで──組織に温かい循環を生み出す「共有土壌」のつくり方を実践からひも解きます。
リーダーの言葉が伝わるには、次の3点が不可欠です:
論理的な内容
わかりやすい話し方と資料
聞き手の「聴く意欲」
この3つ目──部下が「聴こう」と思える関係性を築くには、リーダーがまず部下の話をしっかり聴く必要があります。
コミュニケーションもリーダーの自責から始まります。
リーダーはどんなに多忙でも、一年間に一回でよいので、一人あたり10分〜15分でも真剣に聴く時間をつくることが大切です。
この10分間の傾聴が部下との間に信頼の橋を架けてくれます。
「ちゃんと自分の話に耳を傾けて聴いてくれた」と感じた部下は、その後リーダーの言葉にきちんと耳を傾けるようになります。
「言ったはず」「メールした」は通用しません。
“伝わる”とは、相手の理解と行動に影響を与えること。
伝わるまで粘り強く届けることが、リーダーの責任です。
全体会議や所信発表など、大勢の前で話す機会こそ、生産性が問われます。
単なる情報伝達であればメールや動画で十分。
だからこそ、リアルやハイブリッドの場では「伝わったかどうか」が重要になります。
スピーチの本当の目的は、聞いたメンバーが“他の人にも伝えられる”レベルで理解すること。
これを実現するには、**伝わったかを測る「仕組み」**が必要です。
おすすめの方法は、無記名で「どのくらい理解できたか(10点満点)」+簡単なコメントを集めるアンケートです。
これによりリーダー自身が改善点に気づき、“伝える力”が鍛えられていきます。
数回繰り返すことで、スピーチの質もチームの理解度も格段に上がります。

伝えることと同じくらい、**“聴く姿勢”と“伝わったことの可視化”**が大切です。
こうした取り組みの積み重ねが、共有土壌としての信頼関係を育み、組織全体の活力を生み出していきます。
次回は「共有土壌づくり」後編として、
**「効率的で活力の出る会議の開催方法」**についてご紹介いたします。