Bonheur Management Consulting

ボヌール マネジメント
コンサルティング

COLUMN
2025.06.30

共有土壌づくり 前編:文化をつくるのは、リーダーの背中(第15回)

「信頼関係」や「組織文化」は自然には生まれません。今回は、共有土壌づくりの第一歩として、“リーダーは文化を生み出す存在である”という視点から、事例を交えて考えてみます。

■ 信頼も文化も「つくるもの」

組織における信頼関係や文化、良き習慣は、リーダーが日々の仕事を通じて、意図的に創り出していくものです。今回から3回にわたり、「共有土壌」をどう育てていくか、つまりコミュニケーションの土台をどう築いていくかを考えていきます。

前編では「リーダーは文化をつくる存在であること」、中編では「信頼関係は“聴くこと”から始まること」、後編では「効率的で活力の出る会議の開催方法」について述べていきます。

■ リーダーが文化をつくるとは

リーダーは、言葉ではなく、姿勢と行動によって文化をつくります。説明ではなく、誤解の余地なく示された仕事姿勢を、率先垂範して見せることが何よりも大切です。

私自身は「管理職における4つのコミットメント」を指針として、自分にも部下にも求めてきました。

■ 管理職に求める4つのコミットメント

  1. 意思決定責任:判断から逃げない。権限内では即断し、権限外は原案を添えて上司に提案する。
  2. 有言実行:目標は事前に宣言し、その通りにやりきる。無言実行ではなく、成果を出す責任を負う。
  3. 説明責任:結果だけでなく、目的・現状・着地見込み・振り返り・今後の対策まで常に語れる状態でいること。
  4. 品質保証責任:成果物やサービスの水準に自信を持ち、チーム全体の品質に責任を持つこと。

この4つをリーダー自身が体現すること。そして、部下にもできる範囲で挑戦してもらうこと。この積み重ねが、文化となって根づいていきます。

■ 自責の文化が組織を育てる

「リーダーの自責の文化」は、組織の心理的安全性とも直結します。問題が起きた時に、まず自分の至らなさを認め、率先して改善に動く姿勢があるかどうか。これが、組織の学習力を左右します。

トップやリーダーが自らの対応不足を明言し、反省と改善を重ねていくことで、部下のミスも共有されやすくなり、組織全体で前向きな意見交換が生まれるようになります。

■ 文化は行動の積み重ねから

どんな文化を築くか。それを真摯に考え、地道に実行していくリーダーの姿勢が、共有土壌を形づくっていきます。素晴らしい文化を持つ組織には、必ずその文化を率先垂範したリーダーの存在があります。

■ 次回予告

次回は共有土壌づくり中編、「信頼関係は話を聴くことから」をテーマにお話しします。

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